ハイビジョン映像を撮影して、思いどおりに編集する、これは以前であれば巨大なプロ用ビデオカメラを準備して、撮った映像もまたプロ用編集スタジオで仕上げる必要がありました。
しかし、今は撮影はスマートフォンで十分。編集もパソコンではなく、スマートフォンと無料ソフトを使ってできてしまいます。
せっかく自分だけのオリジナル動画を作るなら、プロも使っている動画編集ソフトを自由自在に使いこなしてみませんか?
この記事では、動画制作のプロやYouTuberも愛用しているAdobeの動画編集ソフト「Premiere Pro(プレミアプロ)」について、おすすめの機能や使い方、料金と購入方法などの情報をまとめています。
もちろん無料ソフトではないですが、使ってみれば映像に対する世界観が180°変わります!
Premiere Proとは?
出典:Adobe
まずはPremiere Proを使ってできることから見てみましょう。Premiere Proは一般のユーザーからYouTuber、プロの映像クリエイターやハリウッドの映画制作者まで、非常に幅広い人々によって支持されています。
基本的には動画を編集するアプリケーションですが、Premiere Proが優れている点は、PhotoshopやIllustratorなどと連携して、動画編集に必要なすべての作業がこれ1つでできてしまうことです。これは無料ソフトに真似できることではありません。
動画を作るには映像を編集する以外にも、音楽をつけたり、タイトルやテロップをプラスしたりすることで、表現力がぐっと広がります。相手に与えるインパクトはずっと大きくなるでしょう。
もう1つだけプラスしておくと、Premiere Proに付属のアプリPremiere Rush(プレミアラッシュ)を使えば、スマートフォンで撮影した素材をそのままスマートフォンで編集して、リアルタイムでSNSに投稿することも可能です。今、その場で目にした感動や驚きを、すぐに多くの仲間と共有できるのです。
ここまでPremiere Proの大まかな紹介をしたところで、次にPremiere Proの詳細な機能について解説していきましょう。
Premiere Proならではの機能・メリット
出典:Adobe
Premiere Proには、映像のプロが求める機能がすべて詰め込まれています。ここでは、主な機能にしぼって分かりやすくご紹介します。
プロが認めたハイレベルな編集機能
動画編集はひとことで言えば、1本の映像素材を切ってつなげて仕上げることです。実際にはタイムラインというパレットの上に、映像や音楽を貼り付けていくイメージですが、そこにさまざまな表現を加えることで、誰にでもワンランク上の動画を作ることが可能になります。
Premiere Proにはあらゆる映像表現をバックアップするため、特殊効果や映像加工ツールも組み込まれています。さらに、Adobe Senseiの自動化機能がサポートしてくれるので、面倒な編集作業で頭をかかえる必要もありません。
あらゆるフォーマットの映像素材に対応
映画まで作れるPremiere Proなので、スマートフォンで撮影した映像素材をはじめ、4K、8KからVR(バーチャルリアリティ)映像まで、あらゆるフォーマットに対応することができます。動画以外の素材でも、例えば静止画ならAdobe Stock(アドビストック)と連携して、編集イメージにぴったりの素材を必ず見つけられるでしょう。
AIを活用した頼りになるAdobe Sensei
意味深なネーミングのAdobe Senseiは、映像編集の過程で手間のかかる作業を、人口知能と機械学習(マシンラーニング)の融合によって自動化できる技術です。例えばシーン検出機能を使えば、AIが自動的にシーンの変化を検出して、適切な位置にカットポイントを追加します。
Adobe Senseiを使用すると、作り手は映像編集のクリエイティブな部分だけに集中でき、ずっと効率的に編集作業を進めることができるのです。
編集をサポートするサービスがいろいろ
Premiere Proは、Adobeが作り上げてきたさまざまなアプリケーションの集合体「Creative Cloud(クリエイティブ・クラウド)」に統合されています。Creative Cloudには、映像制作や画像処理を中心にした、さまざまなアプリケーションが準備されていて、いつでも必要なアプリケーション同士での連携が可能です。
出典:Adobe
Premiere Proだけでも、ハイレベルな動画制作に十分なパフォーマンスを持っていますが、Creative Cloud内のアプリケーションを組み合わせることで、さらにプロのクリエイターに迫る映像表現ができます。
他にもAdobeのユーザー・サポートは万全で、動画編集に関するノウハウが蓄積されているため、チュートリアルやTips(ヒント)も数えきれないほどです。
このような機能とメリットを活用すれば、映像を使って自分が伝えたいことを自由自在に表現できます。もしかすると世界が注目するような映像を、ソーシャルメディアで公開することができ、同じような趣味を持つ仲間とつながれるかもしれません。
Premiere Proの料金や購入方法
Premiere Proは、クラウドサービスを介して提供されます。単体で使用する場合は月額2,728円(税込)からのスタートが可能です。Adobeのサブスクリプションで、月払いのプランと年間一括払いのプランがあり、年払いを選択するとさらに料金がお得になります。
Premiere Pro料金 | |
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年間プラン(月々払い) | 2,728円/月 |
年間プラン(一括払い) | 28,776円/年 |
月々プラン | 3,828円/月 |
Premiere Proを購入する場合は、このサブスクリプションによる契約が必要で、契約後に直接ユーザーのパソコンにインストールされます。継続使用するには、30日に1回インターネットで認証を行います。Premiere Proを購入するなら、公式サイトが最もおすすめです。この場合万全のサポートをいつでも利用できる他、常に最新のバージョンにアップデートされます。
Creative Cloudには、他にPhotoshopやIllustratorなども含めると、合計して20種類のアプリケーションが揃っています。これらは単体で購入することもできますが、コンプリートプランとして購入すれば、月額4,378円(税込)で、すべてのアプリケーションを自由に使うことができます。さらに100GBのクラウドストレージも利用可能です。ただし、Adobe Stockだけは別の料金プランになるので、この後で詳しく説明しましょう。
コンプリートプラン料金 | |
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年間プラン(月々払い) | 4,378円/月 |
年間プラン(一括払い) | 52,536円/年 |
月々プラン | 9,878円/月 |
Adobe Stockも使ってクオリティアップ
出典:Adobe
Premiere Proで動画制作のレベルをさらにアップするなら、Adobe Stockを利用することをおすすめします。Adobe Stockは商用利用が可能なロイヤリティフリーの素材サービスで、以下のような多様な素材が提供されています。
- 写真(プロの撮影によるロイヤリティフリーの写真)
- ビデオ映像(4KまたはHD撮影のビデオクリップ)
- ベクターアートとイラスト
- テンプレート(動画用のモーショングラフィクステンプレート、デザイン用のテンプレート)
- オーディオ
これらの素材を使うことで、わざわざ自分で撮影しなくても、非常にハイレベルな画像や映像をPremiere Proで扱うことができます。豊富なオーディオ素材とPremiere Proとの連携も高く評価されています。
Adobe Stockの素材は、Premiere Proから直接検索やライセンス取得ができるので、手間がかからず作業効率の大幅なアップが可能です。
Adobe Stockはコンプリートプランの対象外なので、Premiere Proとは別に契約する必要があります。契約方法には、必要な素材をその都度購入する「クレジットパック」と、決められたライセンス内でお得に素材を選ぶ「サブスクリプションプラン」があります。また、必要な素材を単品で1点から購入することも可能です。
サブスクリプションプランは月々に利用する素材数でプランが変わり、月額3,480円からスタートできます。今ならAdobe Stockを初月10点お試しできますので、ぜひお試しください。また無料素材もありますのでそちらもご活用ください。
出典:Adobe
Adobe Stock料金(サブスクリプション) | |
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通常アセット数 | 月額料金 |
10点/月 | 3,480円 |
40点/月 | 9,480円 |
350点/月 | 21,980円 |
750点/月 | 24,980円 |
Adobe Stockクレジットパック料金 | |
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クレジット数 | 料金 |
5点分 | 5,900円 |
16点分 | 16,000円 |
40点分 | 36,000円 |
80点分 | 68,000円 |
150点分 | 120,000円 |
YouTuberや5Gの注目で動画需要がますます増加
今後5Gの普及が加速すれば、今まで以上に動画が身近なものになるでしょう。個人でソーシャルメディアに投稿する場合、YouTuberのように目立つ動画にしないと注目されないかもしれません。
また、在宅ワークの機会が増えるなか、副業として動画制作を始めるという選択肢も生まれます。こうしたニーズに対応するのは、無料ソフトでは物足りない点があるでしょう。ぜひPremiere Proを使いこなして、新しい映像の世界を体験してみてください。